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黒澤明特番を観て [邦画]

5/4,5の黒澤明特番を見て、何故「影武者」にスッキリと黒澤映画っぽさが感じられないのか、多少わかったような気がしました。
黒澤映画には、三船敏郎に代表される骨太の主役のほかに、志村喬や千秋実などどこか愛嬌のある観ててなごむ登場人物が配されることが多いように感じます。
デルス・ウザーラのデルスもそうですし、三船も円熟期は余裕からか、愛嬌のある演技を行うことも多くなりました。
いずれにしろ、気鋭の若手と老かいな熟年や凸凹コンビなど主役のみを追うのではなく、そのまわりの人物との対比により、それぞれの個性を際だたせるような演出が魅力のひとつであったことは間違いのないところだと思います。
そして、そういった意図は当然「影武者」にもあり、おそらく勝新太郎に信玄と影武者の二役をやらせることによって、一人の役者内でそういった対比を出そうと試みたんじゃないかと思います。
勝新太郎なら、威風堂々とした大武将も、隙がありちょっと情けない男も両方演じられますもんね(^_^)
ところが、代役の仲代達矢の場合は見栄えからして情けない方はちょっと苦しい。
だからどうしても一本調子に感じてしまって、黒澤映画として違和感を感じてしまうんじゃなかろか?
もったいなかったですね。
もうひとつは役者経験のない出演者の公募による登用かな。
ただでさえ10年ぶりの日本での黒澤映画ということで、プロの役者達は力入りっぱなしの様子でした。
多分、黒澤監督としては、もう少し肩の力を抜いて欲しかったんじゃないでしょうかね~
そんなとこに素人が入ってくると、明らかに違いがわかってしまうんですよね。
アマチュアとの違いを見せたいプロの気持ちはわかりますけどね(^_^;)


黒澤明封印された十年

黒澤明封印された十年

  • 作者: 西村 雄一郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 単行本



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