君の名は。-一人称感の強さと黒澤映画とバック・トゥー・ザ・フューチャー [君の名は。]
ごぶさたしています。
「2016冬ドラマ」の前に、久々に、邦画を題材に、記事を書いてみようと思います。
遅ればせながら、「君の名は。」を観ました。
当方、「雲のむこう、約束の場所」以来の新海誠ファンです。
特に、「雲のむこう、約束の場所」と「秒速5センチメートル」が好きです。
「雲のむこう、約束の場所」の黄金のトライアングルパートは、
何度繰り返し見たかしれません。
「秒速5センチメートル」の再会シーンと、2番目である切なさ、決して完璧には思いを伝えられないもどかしさも好きでした。
また、キャラクターと背景に分けたとしたら、
絵的には後者のほうにより愛着を持って取り組んでられるような感覚がとても新鮮でした。
たとえて言うなら、旅の目的が旅先で何をするかということだけではなく、移動中の乗り物や流れる風景を楽しむこともそのひとつになっている。
普通は手段であるはずものが目的にもなって、本来の目的とあわせて2倍楽しめる。
そんな感じでしょうか。
キャラクターの方は、絵よりも心のありよう重視、という印象です。
しかしながら、これまでは基本的にテレビ放送やレンタルDVDでの鑑賞で、
劇場まで足を運んだことは一度もありませんでした。
今回も劇場鑑賞は照れくさくって、テレビ放映待ちしようかと考えていたのですが、
超ロングラン上映になり、平日の昼間に映画館を訪れるチャンスが生まれましたので、
鑑賞に踏み切ることにしました。
もう公開から18週も経っているし、平日昼間なら余裕だろうと考えていたんですが、
これが甘かった。
札幌駅前のシネコンでは、午後一回目の回(13:10)は満席で入れず、
次の回まで3時間以上待たなければいけなくなったので、
急ぎ、JRで小樽築港駅前のシネコンに移動して、ようやく鑑賞(14:40)できました。
ちなみに、かえりのJRでは、乗車車両でこんなことが起こってビックリです。
車両内で待機しているうちに、映画の感想としてこれは覚えておかなくちゃと思っていたことが
他のことに気を取られているうちに飛んでしまって、
いくら頑張っても思い出せなくなり、
これじゃ、映画の中の二人とおんなじだ~と、口惜しい気持ちになりました。
きっと、もう一度観た時に思い出せると思いますので、
その感想を蘇らせるのは、テレビ放送されるまでとっておきましょう。
今回は、おぼえていることだけで。
劇場で「君の名は。」を観て、最初に感じたことが、
「あれ?これ黒澤映画にも似た緊張感がある」、ということでした。
黒澤映画の緊張感、これを感じる最大の要因は、細部への魂の注入かと思いますが、
この新海誠の映画、背景に込めた深い思いが、作品の隅々にまで魂を宿らせることとなり、
それによって得も言われぬ緊張感を産んでいたのだと思います。
これはこの作品に限らない新海誠作品の大きな特長ですが
とりわけ、劇場の隔離された大スクリーンで観ると、その感覚がより増幅されるのかもしれません。
このことで、ものすごい集中力で最初から最後まで鑑賞することになりました。
そして、映画が進むに連れて次第に感じていったのが、「一人称感」ですね。
まるで自分が体験しているような感覚です。
この映画、三葉パートと瀧パートが交互に現れてきます
(正確に言うと、瀧の三葉パートと三葉の三葉パートと瀧の瀧パートと三葉の瀧パートの4つ)が、
そのうちの瀧の瀧パートの「一人称感」が半端ありませんでした。
特に3人でのロードムービー部。
まるで自分が旅をしているような感覚でした。
そして、この部分、黄金のトライアングルなんですよね。
親友と思いを寄せている女の子が同時に身近にいる。
そんな大切な人たちとともに、それ以上に深い思いを持つものを探す旅をする贅沢さ。
究極ですね。
自分は男の子なので瀧の瀧パートでしたが、
おそらく女の子は三葉の三葉パートに同様のことを感じるのではないでしょうか。
瀧パートほど強く演出はされていませんでしたが、
三葉パートにも、黄金のトライアングル、ありましたよね。
そうして物語は、いとしい気持ちを交差させつつスペクタクルシーンに入っていくわけです。
(今回の2番目は結局、この娘だったのかな)
巷間、この映画が超弩級のメガヒットになった理由が様々に語られているようですが、
その点について、、私は鑑賞中に、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を思い出していました。
もし、仮に「好きな映画」ではなく「完璧な映画」は何か?と、問われたら、
私はいの一番に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を挙げます。
なぜなら、この映画には、SF、学園もの、ラブロマンス、友情、親子愛、ハラハラ、コメディなど、およそ映画が面白くなると思われる要素のほとんどが入っているからです。
「君の名は。」には、SFはありませんが、これらの要素に加えて入れ替わりものやファンタジーやスペクタクルや伝統美やロードムービーの要素まで入っており、観ている人の大切な想い出をも蘇らせるのですから、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」以上です。
それを純粋な気持ちでやっているのですから本当に素晴らしい。
あとは、最後のシーンだけですね。
<関連記事>
秒速5センチメートル
おかしくっておかしくって・・・猫の集会
冒険者たち・・・黄金のトライアングル
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「2016冬ドラマ」の前に、久々に、邦画を題材に、記事を書いてみようと思います。
遅ればせながら、「君の名は。」を観ました。
当方、「雲のむこう、約束の場所」以来の新海誠ファンです。
特に、「雲のむこう、約束の場所」と「秒速5センチメートル」が好きです。
「雲のむこう、約束の場所」の黄金のトライアングルパートは、
何度繰り返し見たかしれません。
「秒速5センチメートル」の再会シーンと、2番目である切なさ、決して完璧には思いを伝えられないもどかしさも好きでした。
また、キャラクターと背景に分けたとしたら、
絵的には後者のほうにより愛着を持って取り組んでられるような感覚がとても新鮮でした。
たとえて言うなら、旅の目的が旅先で何をするかということだけではなく、移動中の乗り物や流れる風景を楽しむこともそのひとつになっている。
普通は手段であるはずものが目的にもなって、本来の目的とあわせて2倍楽しめる。
そんな感じでしょうか。
キャラクターの方は、絵よりも心のありよう重視、という印象です。
しかしながら、これまでは基本的にテレビ放送やレンタルDVDでの鑑賞で、
劇場まで足を運んだことは一度もありませんでした。
今回も劇場鑑賞は照れくさくって、テレビ放映待ちしようかと考えていたのですが、
超ロングラン上映になり、平日の昼間に映画館を訪れるチャンスが生まれましたので、
鑑賞に踏み切ることにしました。
もう公開から18週も経っているし、平日昼間なら余裕だろうと考えていたんですが、
これが甘かった。
札幌駅前のシネコンでは、午後一回目の回(13:10)は満席で入れず、
次の回まで3時間以上待たなければいけなくなったので、
急ぎ、JRで小樽築港駅前のシネコンに移動して、ようやく鑑賞(14:40)できました。
ちなみに、かえりのJRでは、乗車車両でこんなことが起こってビックリです。
車両内で待機しているうちに、映画の感想としてこれは覚えておかなくちゃと思っていたことが
他のことに気を取られているうちに飛んでしまって、
いくら頑張っても思い出せなくなり、
これじゃ、映画の中の二人とおんなじだ~と、口惜しい気持ちになりました。
きっと、もう一度観た時に思い出せると思いますので、
その感想を蘇らせるのは、テレビ放送されるまでとっておきましょう。
今回は、おぼえていることだけで。
劇場で「君の名は。」を観て、最初に感じたことが、
「あれ?これ黒澤映画にも似た緊張感がある」、ということでした。
黒澤映画の緊張感、これを感じる最大の要因は、細部への魂の注入かと思いますが、
この新海誠の映画、背景に込めた深い思いが、作品の隅々にまで魂を宿らせることとなり、
それによって得も言われぬ緊張感を産んでいたのだと思います。
これはこの作品に限らない新海誠作品の大きな特長ですが
とりわけ、劇場の隔離された大スクリーンで観ると、その感覚がより増幅されるのかもしれません。
このことで、ものすごい集中力で最初から最後まで鑑賞することになりました。
そして、映画が進むに連れて次第に感じていったのが、「一人称感」ですね。
まるで自分が体験しているような感覚です。
この映画、三葉パートと瀧パートが交互に現れてきます
(正確に言うと、瀧の三葉パートと三葉の三葉パートと瀧の瀧パートと三葉の瀧パートの4つ)が、
そのうちの瀧の瀧パートの「一人称感」が半端ありませんでした。
特に3人でのロードムービー部。
まるで自分が旅をしているような感覚でした。
そして、この部分、黄金のトライアングルなんですよね。
親友と思いを寄せている女の子が同時に身近にいる。
そんな大切な人たちとともに、それ以上に深い思いを持つものを探す旅をする贅沢さ。
究極ですね。
自分は男の子なので瀧の瀧パートでしたが、
おそらく女の子は三葉の三葉パートに同様のことを感じるのではないでしょうか。
瀧パートほど強く演出はされていませんでしたが、
三葉パートにも、黄金のトライアングル、ありましたよね。
そうして物語は、いとしい気持ちを交差させつつスペクタクルシーンに入っていくわけです。
(今回の2番目は結局、この娘だったのかな)
巷間、この映画が超弩級のメガヒットになった理由が様々に語られているようですが、
その点について、、私は鑑賞中に、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を思い出していました。
もし、仮に「好きな映画」ではなく「完璧な映画」は何か?と、問われたら、
私はいの一番に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を挙げます。
なぜなら、この映画には、SF、学園もの、ラブロマンス、友情、親子愛、ハラハラ、コメディなど、およそ映画が面白くなると思われる要素のほとんどが入っているからです。
「君の名は。」には、SFはありませんが、これらの要素に加えて入れ替わりものやファンタジーやスペクタクルや伝統美やロードムービーの要素まで入っており、観ている人の大切な想い出をも蘇らせるのですから、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」以上です。
それを純粋な気持ちでやっているのですから本当に素晴らしい。
あとは、最後のシーンだけですね。
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