SSブログ

なごり雪 [邦画]

ちょうど「セカチュー」がヒットしてた頃、深夜に「なごり雪」という映画が放映されました。
なんでこんなマイナーな映画、今時放送するんだろう?と思ったんですが、よく考えたら長澤まさみが出てたんですよね(^_^;)
それ以外放送する理由が見あたりません。
でも私、密かに好きな映画だったんです。
この映画、大林宣彦監督の、伊勢正三の曲をモチーフにした、 五十歳の主人公が高校時代の切なくて苦くちょっとだけ甘い思い出を振り返る“黄金のトライアングル”物語です。
主演の男性ふたりの実年齢も50で、まさに五十歳の男のための映画という意識で作られたようです。

なごり雪ss.jpg

私見ですが、大林監督の映画って、少女が主人公のやつは見てて恥ずかしくなるくらい少女的です。
また、たぶんご本人が好きなんだと思いますが、劇中に微妙なSFXをつかうことも多い。
がしかし、これは「青春デンデケデケデケ」とならんで好感の持てる映画です。
とにかく、男なら誰でも持っているであろう、若き日に好きだった人へのほろ苦い悔恨、いけないとわかっていながら何故か傷つけてしまったいくつかの出来事。
そういう青春時代の回想が描かれていて、結構グッときます。
今になると、あの時のいけなかった自分、だけど、どうしてもそうなってしまった自分、両方わかるんですよね(^_^)
そして、劇中の少女の純粋でけんめいな姿は、当時の我々が頭の中で描いていた好きなあの子ってきっとこうだというイメージそのものです。

なごり雪エンドロールs.jpg

また、舞台である大分県臼杵市は、昔の街並みがそのまんま変わらずに残っている土地で、郷愁に溢れています。
夏に行われる石仏火まつりの参道に並ぶ1000本余の松明の火や、秋のうすき竹宵の2万本の竹ぼんぼりの灯りも美しく、若き日にデートしたならば、きっと忘れ得ぬ思い出となったでしょう。
いつまでも、その日の気持ちを大切にして欲しい、と願わずにはおられません。
しかし・・・
五十歳になって、失ったものを取り戻すすべはないんですよね。
あるのは思い出だけ・・・かな。

なごり雪 デラックス版

なごり雪 デラックス版

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2003/09/10
  • メディア: DVD



nice!(346)  コメント(6)  トラックバック(3) 
共通テーマ:映画
@ミック-Thinking @ミック-Thinking 読者登録