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森田芳光版「椿三十郎」ってどんな? [邦画]

NHKで「椿三十郎」のリメイクのメーキングドキュメンタリーを観ました。
私は黒澤フリークなので当然「椿三十郎」も観てます。
が、カラーになろうが、織田裕二とトヨエツ連れてこようが、ハッキリ言って、高い壁と言わざるを得ません。
メーキングの映像見ても、なんかやっぱり黒澤版にかなってないようなあるような(笑)
黒澤映画(酔いどれ天使から影武者より前の作品まで)は、どの作品でもベースに緊張感がありますよね。
だから、クライマックスもそうですけど、それにいたるまでのなんでもないシーンひとつひとつのおもしろさ、緊迫感は他にないですよね。
それもひとつやふたつの代表作ではなくてほとんどの作品でそうですから。
これだけの確率で何本も何本も名作をとってる監督、知らないな~
その上で抜群の娯楽性もあるし、人間ドラマもあるし、ホント知らない人はかわいそうだと思います。
私が思うに、黒澤映画を観て好きになれない人って「影武者」からはいってるんじゃないだろか?
カラーだし、時代劇だし、カンヌ映画祭グランプリだし、誰もが最初に観ようと思っても不思議じゃないんですが。
でも、初めて観るんなら、酔いどれ天使から影武者より前までのにして欲しい(「どん底」と「白痴」は除く」)。
とっかかりとしては、現代劇だったら「天国と地獄」あたりから。
時代劇だったら、それこそ今回リメイクされる「椿三十郎」か「用心棒」あたりが娯楽性も高くていいと思います。
そこら辺から入れば、どんどんどんどん次から次へとほかのも観たくて観たくてたまらなくなってくると思います。
そうするとなんだか中毒みたいになってきて、「羅生門」のような文芸作品や「どですかでん」のような寓話的な作品も、その緊張感だけで楽しめるようになってきます。
そして、黒澤作品を楽しめている自分自身も心持ちちょっと偉くなったような気分にさせてくれますよ(笑)
最後に、白黒映画の集大成として「赤ひげ」を観て、カラー映画の集大成として「デルス・ウザーラ」(これが一番泣けます。それも途中のシーンで・・・)を観たら完璧じゃないでしょうか(^_^)
ただ、ひとつ問題があって、観たらいいなぁ~と思う作品の中に、カラーの時代劇がないんですよ~
だから、どうしてもカラーの時代劇の黒澤映画を観たい~って思ったら、私だったら「雨あがる」をお薦めします。
私はこの作品を観たとき、あ~、これ完璧に黒澤映画だ~と思いました。
カラーの時代劇で黒澤らしい映画が見られると思ってませんでしたからものすごい感激でしたね。
この映画を観て、殿様役の三船史郎に対し、「大根役者~と感じる」か「ものすごい郷愁を感じて懐かしさと共にいとおしく受け入れる」かどうかが黒澤映画を愛しているかどうかって事のような気がします(^_^)

「椿三十郎」はオリジナルキャストもいいですもんね~
三船敏郎、若い頃の仲代達矢、加山雄三、田中邦衛・・・・
さすがに森田芳光+織田裕二と豊川悦司でも苦しいんじゃないかな~
興味は湧きますけどね(^_^)


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